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京阪HD 京阪中之島線「中之島駅」から大阪メトロ中央線「九条駅」まで延伸 2030年秋までの開業を断念

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大阪メトロ中央線「九条駅」(北側)

京阪ホールディングスは、京阪中之島線(天満橋―中之島)を大阪メトロ中央線「九条駅」まで約2kmの延伸を検討していたが、IRが開業する2030年秋までの開業を断念した。

建設費の高騰やIR事業者の「解除権」が2026年9月まで3年延長されたことから、現時点で着工を決断するにはリスクがあると判断した。

京阪HDは延伸について2023年度中に結論を出す予定だったが、2023年12月に結論を見送していた。解除権の期限である2026年9月を過ぎた2026年10月以降に最終的な判断を行う方針だった。

 

コメント

そもそも、京阪中之島線は「中之島駅」で「なにわ筋線」と接続する計画だった。

しかし、「なにわ筋線」は建設中止となったので、京阪HDはJR西九条駅までの延伸を計画した。

その後、夢洲IR誘致に成功したため、大阪メトロ中央線「九条駅」への延伸にルート変更し検討していた。

当ブログが思うに、大阪メトロ中央線「九条駅」への相互乗り入れは困難だと判断したのだと思う。

その場合、夢洲IRへは直接乗り入れすることができず、大阪メトロ「九条駅」での乗り換えが必要になる。

IR利用者にとって「九条駅」で乗換するのは不便でありため、利用者数が低迷する可能性がある。

また、京阪が延伸しなくても、2031年には当初の計画通りに「なにわ筋」が開通するので、京阪「中之島駅」が飛躍的に便利になる。

しかも、京阪「中之島駅」直結の「中之島5丁目」の再開発計画が始動しており、中之島5丁目計画に集中的に投資した方が資本効率がいいと判断したのだと思う。

 

中之島5丁目地区地区計画

2023年10月(南東から撮影)

名称 中之島五丁目地区地区計画
所在地 大阪市北区中之島五丁目
開発面積 約 9.6 ha(A地区+B地区+C地区)

出典 大阪市

全体の開発面積は約9.6haで、(A地区:約4.1ha)(B地区:約4.8ha)(C地区約:0.7ha)の3地区に分けて開発する。

出典 大阪市

仮に容積率が1,000%まで緩和されると既存のグランキューブ大阪や住友病院を含む合計の延床面積は100万㎡という大規模開発になる。

当ブログの予想では高さ200m級・延床面積20万㎡の超高層ビル「仮・中之島タワー」が建設され、総事業費は6,000億円、そのうち京阪HDの負担は1,000億円以上と予想される。

 

大阪メトロ中央線「九条駅」

大阪メトロ中央線「九条駅」(北側)

一方、大阪メトロ「九条駅」周辺で京阪HDが関与する大規模再開発の計画はない。

したがって、経営資源を「中之島5丁目」再開発に集中するのは、民間会社として当たり前の経営判断だと思う。

最終的には、「中之島5丁目」再開発が完成して、夢洲IRが開業した後、例えば2035年頃に「九条駅」への延伸に着工し、延伸完成は2040年頃かもしれない。

 

以下は過去記事

2023年5月16日、京阪HDの加藤好文(よしふみ)会長は、産経新聞の単独インタビューに応じ、夢洲方面への中之島線延伸を2023年度内にも最終決定する方針を明らかにした。

2030年前後に人工島・夢洲(大阪市此花区)での開業を予定するカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備計画が認定されたことを受けたもの。

2023年7月には、加藤好文会長直轄の「検討委員会」を立ち上げる。

参照 産経新聞

 

予想ルートと構造

  • 大阪メトロ中央線「九条駅」に高架線で相互乗り入れ
  • 大阪メトロ中央線「九条駅」の地下まで延伸(相互乗り入れしない)
  • 大阪メトロ中央線「阿波座駅」に地下線で相互乗り入れ

 

イメージ(当ブログで加工)

 

スケジュール(当ブログまとめ)

建設期間 着工から完成まで4年~5年
2023年7月 検討委員会を立ち上げ
2023年12月 決定を見送り
2026年10月 最終決定か?
工期 設計2年+工期5年
開業時期 2033年以降か?
区間 京阪中之島線「中之島駅」~大阪メトロ中央線「九条駅」
延伸距離 2km
新型車両 大阪メトロ中央線に乗継なしで走行できる新型車両の開発を検討
整備費用 1,000億円
事業方式 上下分離方式(線路は自治体・第三セクターが保有し、鉄道会社は賃貸料を支払い運行する)

 

大阪メトロ「九条駅」付近の調査

大阪メトロ中央線「九条駅」(東方向を撮影)

京阪中之島を大阪メトロ中央線「九条駅」に乗り入れるにあたって最大の懸念は、大阪メトロ中央線「九条駅」の両側に「阪神高速道路16号(大阪港線)」があることだ。

そこで、現地で、相互乗り入れできるか調査してみました。

結論から言うと、「阪神高速道路16号(大阪港線)」の出入口の車線を撤去・移設すれば、相互乗り入れは可能と思われる。

しかし、阪神高速の出入口を撤去・移設することは、かなり困難だと思う。

個人的な予想だが、京阪中之島線を大阪メトロ中央線「九条駅」で相互乗り入れする可能性は低いと思う。

 

出典(阪神高速)

大阪メトロ中央線「九条駅」(東方向を撮影)

  • 中央は大阪メトロ(上下線)、両側は阪神高速。

「九条駅」の東側には、大阪メトロ中央線と阪神高速の間に上下線とも「1車線」分の空間がある。

この空間を利用すれば、京阪中之島から大阪メトロ中央線に乗り入れできる可能性はあるが、撤去はかなり難しいと思う。

「九条駅」の東側では、大阪メトロと阪神高速の間に「高速道路への出入口(上り本田入口・下り九条出口)」がある。

高速道路は直線的に建設されるので、九条駅までその隙間ができてしまったのだと思う。

大阪メトロ中央線の車内から「下り九条出口」を撮影

 

「九条駅」の東側の高速の出口「下り九条出口」

「九条駅」の東側の高速の入口「上り本田入口」

 

京阪合流線の勾配

当ブログ予想では、中央大通の川口1交差点付近から京阪線は地上に出て、大阪メトロ中央線に合流すると予想される。

川口1交差点から大阪メトロ「九条駅」までは約700mだが、約600m地点で合流すると予想される。

仮に勾配が28‰(1000mの距離で高さ28m)ならば、距離600mで約17mの高さに到達できる。

したがって、勾配から考えても、京阪中之島線の大阪メトロ中央線への乗り入れは技術的には可能と予想される。

 

京阪中之島線延伸計画

京阪ホールディングスは、京阪中之島線「中之島駅」から大阪メトロ中央線「九条駅」までの延伸を検討している。

しかし、2025年の大阪・関西万博の期間は半年であり、そのために延伸費用1,000億円を投資しても採算が合わないため、大阪IRの認定後に、本格的に検討するとしていた。

延伸により、IR(夢洲)から京都に直通運転が実現することになる。

すでに、現在1編成に1車両の有料プレミアムカーを一部編成で2車両に増強することが発表されている。

しかし、IR(夢洲)=京都の観光特急列車は、現在のプレミアムカーとは別で新開発する方針。

個人的な予想では、近鉄「ひのとり」のような全席指定、バックシェル座席を採用し、乗り心地改善のため「空気ばね台車」を採用するのではないか?

 

当初のJR「西九条駅」接続案

従来の計画では、京阪中之島線を直接、JR大阪環状線「西九条駅」まで延伸し、関空特急「はるか」に接続する予定だった。

しかし、「なにわ筋線」が2031年春に開業する予定となり、中之島駅で「なにわ筋線」と接続することになった。

そのため、JR「西九条駅」で関空特急「はるか」と接続する必要性が低下し、むしろ、大阪メトロ中央線「九条駅」と接続した方が費用的・利便性からも投資効果が高いと判断したようだ。

 

軌道幅と車両

軌道幅は「京阪中之島線」「大阪メトロ中央線」「阪神なんば線」はすべて1,435mmだが、集電方式に違いがあり、相互乗り入れするには新型車両の開発が必要になる。

近鉄も大阪メトロ中央線に相互の乗り入れする計画で技術的には可能と思われる。

 

接続方法

大阪メトロ中央線「九条駅」は高架駅で、地下路線である京阪「中之島線」を乗り入れさせるにはかなりの高低差がある。

しかも、大阪メトロ中央線の両側は高架道路(阪神高速16号大阪港線)になっており、地下路線からの高架線路への接続はかなり難しいのではないか?

具体的には、阪神高速の出入口を撤去・移設する必要があると思う。

個人的には、線形は悪くなるが、大阪メトロ中央線「阿波座駅」付近で接続する方が簡単だと思う。

 

京阪中之島線延伸(二段階)計画概要

第一段階  :京阪中之島線「中之島駅」から大阪メトロ中央線「九条駅」まで延伸する。

第二段階  :その後、西九条駅「JR環状線・JRゆめ咲線(JR桜島線)・阪神なんば線」まで延伸する計画もある。

区間 距離 整備費用 建設期間 完成予定
中之島駅~九条駅 2km 1,000億円 4年~5年 (2030年以後?)
九条駅~西九条駅 1.3km (700億円?) (4年~5年?) (2035年以後?)
合計 3.3km (1,700億円?) (8年~10年?) (2035年以後?)

 

JR「西九条駅」までの延伸事業は不透明

京阪中之島線の大阪メトロ中央線への乗り入れが決定すると、「JR西九条駅までの延伸事業」の優先度が低くなる可能性がある。

もし「JR西九条駅」まで延伸したとしても、JR西九条駅から万博会場の「夢洲」まではJR桜島線(ゆめ咲線)をさらに延伸する必要がある。

京阪が「JR西九条」まで再延伸するかどうかは、JR桜島線(ゆめ咲線)の延伸事業の進捗状況次第と思われる。

 

コメント

もし、JRゆめ咲線(JR桜島線)が夢洲まで延伸されると、JR大阪駅から仮・夢洲駅へは、所要時間22分と速くなる。

そこで、京阪電車は、大阪メトロ「九条駅」経由で大阪環状線「JR西九条駅」まで延伸し、JRゆめ咲線(JR桜島線)に接続する計画を検討していると思われる。

ただし、大阪メトロ「九条駅」に乗り入れてから、大阪メトロ中央線を分岐し、JR「西九条駅」に接続するのはかなり難しいと思われる。

したがって、「JR西九条駅」に接続するのであれば、「大阪メトロ中央線(九条駅)まで延伸区間」のどこかで分岐して、地下線路のまま「JR西九条駅」に接続するのではないか?

最終的に京阪電鉄自体が3,500億円の費用で夢洲IRに直接乗り入れする計画もあり、そのためにも「JR西九条駅」まで延伸する可能性はあると思う。

しかし、かなり複雑な路線になるので、実現できるかは不透明。

個人的には、大阪IRが大成功した場合、2040年以降に開業するかもしれないと思う。

 

コメント

これらの鉄道計画が実現すると、大阪IR(夢洲)から京阪電車で京都に直通、さらに近鉄電車で奈良に直通電車が運行することになる。

大阪IR(夢洲)から京都や奈良に約1時約で行けることになり、大阪IRの経済効果が広範囲に及ぶことになる。

関西圏全体の観光消費の拡大が見込まれる。

今後は、大阪と京都や奈良などの連携が重要になってくると思う。

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