兵庫県庁舎建替案
兵庫県は、JR元町駅周辺に点在する庁舎を超高層ビルに建替え、「行政棟」に集約し「にぎわい施設」を誘致する計画だ。
「にぎわい施設」とは高級ホテルと報道されている。
神戸市役所
神戸市も2号館を超高層ビルに建替え「ハイクラスホテル」を誘致する計画だ。
コメント
兵庫県や神戸市が、公有地に「高級ホテル」を誘致するのはいかがなものか?
しかも、兵庫県庁舎の場合は、「行政棟」と「県民会館」の2棟だけで650億円~
700億円の事業費で、「2号館」「議会棟」などを含めた全体計画は1,000億円を超える可能性がある。
全体の計画は発表するが、2棟分の事業費しか公表していないのが不可解だ。
全体で1,000億円以上となれば、県民の反対があるから、2棟分だけ公表したのではないか?
本来、メディアが「全体の事業費はいくらか?」を質問すべきだが、神戸には兵庫県庁や神戸市を批判するメディアが存在しない。
「にぎわい施設」とは何か?
計画では「にぎわい施設」とあるが、実際は「高級ホテル」と思われる。
なぜ、「高級ホテル」と公表しないのか?
これだけの税金を投入して一部の人しか利用しない「高級ホテル」を誘致する意味があるのか?
そもそも、神戸市元町駅北側に「高級ホテル」の需要があるのか?
神戸市役所2号館(三宮)にしても、JR三宮駅ビルが建替えられて「ホテル」が入居すると立地で負けてしまう。
さらに、「オークラ神戸」や「ANAクラウンプラザホテル神戸」などの既存の民間ホテルへの影響はないのか?
兵庫県公館
高級ホテルを誘致したいなら、現在「県政資料館」くらいしか利用されていない「兵庫県公館」を「ホテル」にリノベーションすればいいのではないか?
名称 | 兵庫県公館 |
所在地 | 神戸市中央区下山手通4丁目4番1号 |
用途 | 迎賓館・県政資料館 |
敷地面積 | 8,772.5平米 |
延床面積 | 9,498.7平米 |
構造 | 鉄筋コンクリート造(壁式) |
階数 | 地上3階・地下2階 |
延床面積は9,498.7平米なので、平均客室面積50平米としても100室程度の高級ホテルになるのではないか?
兵庫県庁は正々堂々と全体の事業費を公表し、「にぎわい施設」が1泊いくらの高級ホテルになるのか公表して県民の意見を聞くべきだ。
引用・参照 日経新聞(2018年1月17日)
井戸敏三知事は日本経済新聞のインタビューで(中略)跡地利用については「高級ホテルとまとまった事務所床がないのが神戸の問題」と指摘し、(中略)大がかりな再整備になった場合は「1千億円プロジェクトになることは間違いない」と語った。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25788600X10C18A1AM1000/
まとめ
JR三ノ宮駅の南北広場をJR西日本に賃貸し、容積率と高さ制限を緩和すれば、10万~20万平米の駅ビルができる。
しかも、兵庫県や神戸市は1円も使わなくていい。それどころか毎年広場の賃貸料が入ってくる。
なぜ、兵庫県は総額1,000億円という大規模開発を行うのか?
神戸市にしても、高さ制限やタワーマンション規制をして民間の開発の妨害をしておきながら、神戸市役所2号館を超高層ビルに建替えて「高級ホテル」にしようとしている。
県庁や市役所の仕事って、県や市庁舎を「高級ホテル」にすることなんですか?
もしかして、兵庫県が県庁舎を「高級ホテル」にするから、神戸市も対抗して市庁舎2号館を「高級ホテル」にするのか?
結局、規制緩和さえすれば、県や市は1円も負担せずに、民間が建設するものなのに、兵庫県や神戸市は税金数百億円~1,000億円を投入しようとしている。
それよりも、「子育て支援」や「神戸市営地下鉄と阪急の相互運転」などに使えば、県民や市民にメリットがあるのではないか?
兵庫県が1,000億円で高級ホテルなどを開発するなら、民間は対抗できないわけで、民間会社は神戸に投資しなくなるだろう。
結局、兵庫県の1,000億円プロジェクトは、神戸の衰退を加速させるだけだ。