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【2020年代後半】横浜IR(統合型リゾート)は成功するか?

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出典 横浜市 (IR事業者の提案)

2019年8月22日、横浜市の林文子市長は、「横浜市にIRを誘致すること」を正式に表明した。

今後、2021年度までに横浜市議会の議決を経て「IR整備の認定申請」し、2020年代後半の開業を想定している。

横浜市に提出されたIR事業者の計画では、年間売上高3,500億円~8,800億円となっている。

はたして、この売上高は実現可能なのか?

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横浜IR事業者案(12業者中9事業者が公表)

項目 金額・面積等
投資額 6,200億円~1兆3000億円
年間売上 3,500億円~8,800億円
山下埠頭面積 47ha
IR施設全体延床面積 67ha~150ha
MICE施設 7ha~22.9ha
宿泊施設延床面積 27ha~60ha
宿泊施設客室数 2,700室~5,000室
横浜への観光客数 4,400万人~7,800万人
IR訪問者数 800万人~5,200万人
直接雇用者数 1万人~5.6万人
間接雇用者数 0.7万人~14.9万人
経済効果(IR全体) 7,700億円~1兆6500億円

 

ガジノ面積はIR全体の3%

IR(統合型リゾート)=カジノと思っている人が多いが、実は、カジノ面積はIR施設全体の3%以下に制限される。

例えば、33階建の超高層ビルなら、カジノは1フロアーだけで、残りの32階分は別の用途になる。

 

カジノ税の税率は30%

IR整備法によると、カジノの粗利益の30%(国15%・地方15%)は税金として納付しないといけない。

 

日本人入場料6,000円

外国人はカジノに無料で入場できるが、日本人は6,000円の入場料が必要となる。したがって、外国人を集客する必要がある。

 

コメント

カジノ税は、シンガポール17%、ラスベガス7%、マカオ40%なので、日本の30%は高い部類だ。つまり、日本のカジノは還元率が悪くなる。

富裕層は、各国のカジノに行くので還元率の悪い日本のカジノを選択することはない。

したがって、観光、ビジネス、見本市、国際会議などで来日したついでに「日本のカジノ」に行くことになるだろう。

その場合、横浜の立地は極めて悪い。

多くの外国人は東京都内に宿泊するので、横浜の山下ふ頭までは、電車でも車でも1時間かかる。

往復2時間かかるわけで、2~3時間の空き時間に横浜のカジノに行くことができない。

また、日本人も入場料6,000円なので気軽にカジノには行けない。

 

外国人延べ宿泊者数2018年

東京都 2,176万人
大阪府 1,389万人
北海道 817万人
京都府 571万人
沖縄県 525万人
千葉県 405万人
福岡県 316万人
愛知県 290万人
神奈川県 251万人

神奈川県の外国人延べ宿泊者数251万人で東京の9分の1、大阪府の6分の1しかいない。

しかも「横浜市内の外国人延べ宿泊者数」は251万人よりも少ない。

横浜IRは宿泊施設客室数2,700室~5,000室のホテルを建設する予定だが、還元率の悪い日本のカジノのためだけに横浜に外国人が来るのだろうか?

横浜の観光スポットは、「みなとみらい21」「山下公園」「横浜中華街」「横浜アンパンマンこどもミュージアム」「元町」「港の見える丘公園」「横浜赤レンガ倉庫」「よこはまコスモワールド」などだが、どれも外国から観光客を呼び込むほどの集客力はない。

 

お台場が本命

東京・お台場(筆者撮影)

IR事業者は、「東京・お台場」にIRを建設したいと思っている。

「東京・お台場」へは、東京駅~品川駅などから車でも電車でも20分~30分で行ける。

そのため、観光やビジネスで来日した外国人も合間に気軽に行くことができる。

 

もし、「東京・お台場」に後からIRが建設されれば、横浜IR事業は立ち行かなくなるだろう。

では、なぜ横浜市はIR誘致に立候補しようとしているのか?

当ブログの予想では、横浜にIR候補地に立候補させて、最終的に「東京・お台場」にIRを設置する思惑で様々な人が動いていると思われる。

したがって、「横浜IRの実現性は極めて低い」。

追記

2019年8月22日、ラスベガス・サンズは「東京と横浜に注力」すると発表した。横浜しかIR誘致を表明してないのに「東京と横浜に注力」とはどういう意味だろうか?

ラスベガス・サンズとしては、本命は「東京」だろうが、「東京にIR設置」されない場合、「横浜」ということなのかもしれない。

IRの投資金額が数千億円で絶対に失敗できない。しかも、ラスベガス・サンズは、トランプ政権とも近く、日本のIRで失敗すると安倍首相とトランプ大統領の関係も悪化する可能性がある。

したがって、横浜IRは東京IRに比較して不利なため、もし、横浜IRに設置が決定すると自民党政権が存続する限り「東京IR」はできないことになるだろう。

つまり、東京がIR誘致できるのは今しかないことになる。これを受けて東京がIR誘致するかどうかが今後の焦点となる。

もし、東京がIRに立候補すれば、「横浜IR」の可能性はないだろう。

 

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