大手電力7社(北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中国電力、沖縄電力)は、2023年6月1日の使用分から15%~39%電気料金値上げする。
関西電力、中部電力、九州電力の3社は値上げしない方針。
2023年6月 大手7社の値上げ幅
(送配電網の利用料金を含めた値上げ幅)
電力会社 | 値上げ率 | 400kwh(月間使用量) |
北海道電力 | 20.1% | 1万8885円 |
東北電力 | 21.9% | 1万6657円 |
東京電力 | 15.3% | 1万6522円 |
北陸電力 | 39.7% | 1万5879円 |
中国電力 | 26.1% | 1万6814円 |
四国電力 | 23.0% | 1万6123円 |
沖縄電力 | 36.6% | 1万9397円 |
2023年10月に再び値上げか?
「再エネ賦課金」は2023年4月から平均的家庭で月額820円引き下げられた。
また、政府の負担軽減策により1kwh当たり7円補助されている。
しかし、これらの軽減措置は2023年9月の使用分までなので、2023年10月から標準家庭で月額2,800円値上げされる見通し。
電気料金の構成
項目 | 内容 |
基本料金 | 契約容量で決まる |
電力量料金 | 使用電力量に応じて計算する |
燃料費調整額 | 燃料費の変動に応じて加算あるいは差し引いて計算する |
再生可能エネルギー発電促進賦課金 | 使用電力量に応じて計算する |
今回の政府による電気料金の負担軽減策では、電気量料金の単価はそのままで、国からの補助金により「燃料費調整額」から「1kwh当たり7円」を差し引く。
参照 関西電力
従量電灯Aの電気料金
(従量電灯Aは一般家庭向けの料金プラン。 従量電灯Bは店舗・事業所向け料金プラン)
最低料金(最初の15kWhまで) | 1契約 | 341.01円 | ||
電力量料金 | 15kWhをこえ120kWhまで | 第1段階 | 1kWh | 20.31円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 第2段階 | 25.71円 | ||
300kWh超過分 | 第3段階 | 28.7円 |
上記「電気料金」に「燃料費調整額」「再エネ促進賦課金」を加算した料金が請求される。
電気料金の計算例(単位円)
(燃料費調整額・再エネ促進賦課金を含む)
再エネ促進賦課金は、2011年、当時の民主党(現在の立憲民主党)が導入し、家庭用電気代の約12%、一般家庭の年間負担金は1万円以上となっている。
使用月 | 請求月 | 400kWh | 500kwh | 600kwh | 700kwh | 800kwh | 900kwh | 1000kwh |
2022年12月 | 2023年1月 | 12,247 | 15,686 | 19,125 | 22,564 | 26,003 | 29,442 | 32,881 |
2023年1月 | 2023年2月 | 9,447 | 12,186 | 14,925 | 17,664 | 20,403 | 23,142 | 25,881 |
関西電力の場合、使用電力量400kWh/月の計算例
- 2023年1月請求分(2022年12月使用分)は12,247円
- 2023年2月請求分(2023年1月使用分)は9,447円
- -2,800円(-22.8%)の値下げ
東京電力の電源構成
電気とガスのどちらがお得か
最近のエアコンは高性能ヒートポンプを搭載しており、エネルギー効率がいい。具体的には電力消費量1に対して3倍~4倍の暖房をすることができる。
ヒートポンプのエネルギー効率は、COP(成績係数)という数字で表現される。例えば、COP4であれば、入力したエネルギーの4倍のエネルギーを生み出すことを意味する。
熱効率がいいエアコンだが、実は暖房は立ち上がり時に1000Wという大量の電力を消費する。
したがって、暖房の開始時はガスファンヒーター(石油ファンヒーター)を使用し、部屋が暖まるとガスファンヒーターを停止し、エアコンの暖房を使用すると、トータルの光熱費が安くなる可能性がある。
ちなみに、エアコンの暖房費は1時間当たり20円~40円程度。