
当ブログで作成(AI)
2025年10月24日、オーストラリア政府は次期駐日大使にアンドルー・シアラー国家情報庁(ONI)長官を指名した。
シアラー氏の任期は2025年12月に満了し、2026年初頭にも正式に駐日大使として着任する見通しだ。
この人事は、2025年10月21日に高市早苗氏が日本の首相に選出された直後のタイミングで行われた。
シアラー氏の起用には、「新政権との信頼関係をいち早く構築し、日豪関係を安全保障から経済・投資・観光の分野まで総合的に深化させる」という、豪政府の戦略的意図が見える。
参照 時事通信
アンドルー・シアラー氏は、長年オーストラリアの安全保障政策の中枢を担ってきた人物だ。
在米オーストラリア大使館での勤務経験を持ち、ハワード政権およびアボット政権で国家安全保障顧問を歴任し、2020年からは国家情報庁(ONI)長官として、米国や日本と連携しながら情報・防衛政策を指揮してきた。
シアラー氏は「対中強硬派」としても知られており、中国によるインド太平洋での軍事的・経済的影響力拡大に警戒を強める立場だ。
彼の外交スタイルは、米国・日本・インド・オーストラリアによる「クワッド(Quad)」を基盤とする多国間連携の強化に重きを置く。
そのため、彼の駐日大使就任は「日豪同盟の実質的な再構築」を意味すると見る専門家も多い。
オーストラリアは近年、日本との防衛装備品・技術協力を急速に進めている。特に注目されるのが、次期海軍フリゲート艦の新造計画だ。
豪政府は2025年、海上自衛隊の護衛艦「もがみ」型をベースにした改良型を導入する方針を正式決定した。
この決定は、オーストラリアが「信頼できる防衛産業パートナー」として日本を高く評価している証拠でもある。
また、南シナ海・インド太平洋での安全保障環境が緊張する中、日豪両国は海上共同訓練を拡大。
すでに自衛隊と豪海軍は、米軍・英軍を含む多国間演習での連携を強化しており、事実上の“準同盟”関係にある。
今後、シアラー氏の着任によって、こうした防衛協力はさらに戦略的な段階に進むとみられる。
安全保障の枠を超えて、日豪関係は経済面でも新たな局面を迎えている。
特に「経済安全保障」という概念のもと、両国は重要鉱物・エネルギー分野での協力を加速中だ。
オーストラリアはリチウム、ニッケル、レアアース(希土類)など、次世代産業に欠かせない資源を豊富に持つ。
日本政府はこれらを“戦略鉱物”として位置づけ、豪州との共同開発や安定供給ルートの確保を支援している。
2024年には三菱商事や住友金属鉱山が豪州企業と共同でリチウム鉱山開発を拡大するなど、官民連携のプロジェクトが相次いだ。
これにより、日豪は「中国依存からの脱却」を共通目標として、資源・技術・投資の三位一体連携を強化している。
シアラー氏が経済安全保障の分野でも豊富な知見を持つことから、この流れはさらに加速すると見られる。
高市早苗首相は、総務大臣や経済安全保障担当大臣としての経験から、情報・通信・サイバー分野に精通している。
彼女が掲げる「技術立国」「経済安全保障の強化」は、まさにアンドルー・シアラー氏の専門分野と重なる。
特に、人工知能(AI)、量子技術、サイバー防衛といった先端分野では、日豪両国が共通の課題と目標を持つ。
今後、研究開発や人材交流、サプライチェーンの共同構築など、民間レベルでの連携が広がる可能性が高い。
安全保障や資源協力にとどまらず、今後は「人の往来」や「投資」を通じた関係強化も進むだろう。
オーストラリアは日本にとって資源輸入国であると同時に、有望な不動産・観光投資先でもある。
コロナ禍後、ゴールドコーストやシドニーなどへの日本人観光客が回復傾向にあり、2025年には訪豪日本人が50万人を超える見通しだ。
一方、オーストラリア企業による日本での再エネ投資も増加している。
特に北海道や東北地方では、豪資本による風力・太陽光発電プロジェクトが進展中だ。
これらは、単なる経済取引ではなく「脱炭素・安全保障・地域創生」を同時に実現する戦略投資となっている。
アンドルー・シアラー新大使の就任は、日豪だけでなく「クワッド(日本・米国・インド・豪州)」全体の再活性化にもつながる可能性がある。
特に2026年以降、インド太平洋地域での海洋監視・宇宙防衛・通信インフラ整備など、多分野での共同プロジェクトが動き出すだろう。
米中対立の長期化が避けられないなか、日本とオーストラリアは「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の中核を担う。
その中心に、情報と戦略のプロフェッショナルであるシアラー氏が座ることは、日豪関係の質的転換を象徴している。
アンドルー・シアラー氏の駐日大使就任は、単なる人事ではない。
それは、日豪が「安全保障」「経済」「技術」「人の交流」という4つの柱で結びつく、次世代型パートナーシップの幕開けを意味する。
高市政権との連携強化を通じて、両国はより戦略的かつ実利的な関係へと進化していくだろう。
今後数年間で、日豪関係は“軍事同盟に最も近い経済連携国”としての地位を確立する可能性がある。
その起点に立つのが、アンドルー・シアラー氏の大使就任だ。
