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阪急うめだ本店(大阪)自主編集売り場に転換

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阪急うめだ本店

「自主編集売り場」とは、従来のアパレルメーカーがブランドショップという形式で入居するのでなく、デパート側が、各ブランドの商品をデパートのコンセプトに沿った形でディスプレイし販売する売り場のこと。

伊勢丹が始めたことで有名。

阪急うめだ本店(大阪市北区)でも2016年頃から婦人服(3階~6階)を中心に「自主編集売り場」を導入転換した。

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年齢別セグメントをやめた

もう一つの変化は年齢によるセグメント分けをやめたことだ。

従来の百貨店では、3階は「20代~30代のヤング向けフロア」、4階は「40代以上のミセス向けフロア」と言った年齢別のフロア構成になていた。

しかし、この「年齢別売り場構成」は消費者のニーズに合わなくなってきたため、自主編集売り場では、「年齢別の売り場構成」をやめた。

 

「自主編集売り場」は関西になじまない?

伊勢丹大阪店で「自主編集売り場は失敗している」ので、ブランド好きの関西では、なじまないとされた。

しかし、自主編集売り場はデパートの能力によって成功・失敗するもので、一概に「自主編集売り場」が関西でなじまないというものではない。

実際、阪急うめだ本店の「自主編集売り場」は今のところ成功していると思われる。

特に好調なのが、OLさん向け通勤キャリアファッション(オフィスファッション)の売り場(4階)だ。

従来、通勤用スーツを買うときは、各ブランドを買い回ることが多く、時間がかかっていた。

ところが、現在の阪急の自主編集売り場では、コンセプトの似たブランドのスーツを仕切りなしで買い回ることができる。

また、従来、デパートの顧客層は30代後半~50代だったが、自主編集売り場の成功で20代の来店客も増加しているようだ。

 

梅田阪急の一人勝ちか?

自主編集売り場は百貨店の販売能力によって、売上が増減する。

今までのデパートはアパレルブランドに出店してもらって、販売員もアパレルから派遣してもらうだけでよかった。

しかし、自主編集売り場は、デパート社員が自ら、販売商品をセレクト、ディスプレイしないといけない。これは、デパートによって、かなりの差が出てくる。

 

商圏拡大か?

自主編集売り場は、商圏の拡大につながる可能性がある。

今まで姫路や奈良の人は地元のデパートでも大阪梅田のデパートでも同じブランドなら同じように購入できた。

しかし、自主編集売り場が主流になると、デパートによって品揃えも違ってくるので、姫路や奈良からも大阪梅田のデパートへ買い物に来る人が増加する可能性がある。

阪急メンズ大阪は北陸、中四国とかなり広い商圏を持っている。

今後、阪急うめだ本店の商圏が拡大する可能性は十分にある。

 

インバウンド需要

阪急うめだ本店の売上2,183億円のうち約150億円が訪日外国人による免税品の売上だ。

これは、アパレルメーカーにとっても、阪急うめだ本店に出店することは、海外進出のテスト販売的な意味合いも持つことになる。

 

阪急百貨店、中国進出

H2O(エイチ・ツー・オー)は2018年に中国・浙江省寧波市に出店する予定だ。阪急百貨店を中核とし、官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」も出資し、総投資額は500億円超となる。

日本の衣料品のほかにアニメなどクールジャパンの発信拠点となる。

 

阪神百貨店2018年春Ⅰ期部分開業

阪神百貨店は、2018年春に建設中の建替え工事Ⅰ期が竣工し、東側半分の約5万平米で部分開業した。

 

阪急百貨店と阪神百貨店の棲み分けは?

個人的には阪神百貨店は新宿の京王百貨店のようにシニア向けデパートになるのではないかと予想していた。

しかし、京王百貨店のシニア向け戦略が失敗しつつあるので、阪神百貨店が完全にシニア向けデパートになることはないだろう。

京王百貨店は、20年前からシニア向けデパートに特化した経営をしていた。しかし、当時の60代顧客は今では80代になり売上が低迷している。

現在の60代は京王百貨店の顧客にはなっていないことが低迷の原因だ。

そこで、京王百貨店は百貨店の1Fに高級時計のロレックス店をオープンさせた。その結果、京王百貨店がロレックスのオーバーホール数で日本一になった。

この戦略は実にうまい。

20代30代でロレックスを購入した富裕層が、10年20年経って、高級時計のオーバーホールするようになる。そういう40代50代のリペア客をうまく取り込んだのだ。

阪神百貨店も阪急百貨店と違う顧客層の取り込みをする必要があるだろう。

一つ考えられることは、アパレルブランドは、デパート向けとショッピングモール(SC)で別ブランドを展開しているが、大阪梅田では、ショッピングモール(SC)向けブランドを買うことができない。

阪神百貨店では、ショッピングモール(SC)向けブランドを販売するという手法もある。

実際、大丸梅田店では、紳士服の「はるやま」がテナントとして入店しているので、阪神百貨店でも同じことをする可能性はある。

 

阪急+阪神で実質売上日本一か?

売上高を調べると、阪急百貨店梅田本店(2,183億円)と阪神百貨店梅田本店(589億円)の合計で2,772億円となる。

一方、伊勢丹新宿本店の売上は2,724億円なので、阪急梅田と阪神梅田の合計の方が48億円多くなる。

つまり、阪急梅田と阪神梅田の合計で売上日本一のデパートと言えないこともない。

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