
大阪府警察は、IR(統合型リゾート)の開業を見据え、治安と地域風俗環境の対策を強化するため、夢洲地区に新たに「夢洲警察署(仮称)」を整備する計画を進めています。2026年度の当初予算案には、実施設計費などとして約3億708万1千円が盛り込まれ、いよいよ本格的な準備段階に入りました。
本体工事は2027年度から着手し、完成は2028年度(令和10年度)8月の予定。大阪IRの開業(2030年秋頃)に先立ち、夢洲の治安体制を早期に確立する狙いがある。
参照 日刊建産速報社
大阪府・市は2023年4月に国から「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」の認定を受け、同年9月にはIR事業者との実施協定も締結。民間と行政が連携し、2030年秋ごろのIR開業を目指して準備が進められています。
IR開業後は、国内外から大量の旅行者が夢洲を訪れることが予想されます。その一方で、
- 犯罪・トラブルの増加
- 風俗環境の悪化
- 青少年保護に関する懸念
など、治安維持の観点から課題が指摘されています。
そのため、大阪府警察は犯罪防止・風俗環境の維持・地域安全の確保を総合的に担う警察拠点として、新警察署の必要性を明確にしています。
新警察署の建設予定地は、大阪市此花区夢洲中1。敷地面積は約3,000㎡です。
現在この土地は、大阪港湾局がコンテナ車両の渋滞対策として「コンテナ車両待機場」として2026年3月まで使用中。その後、府警が土地を購入する予定です。
また、夢洲の安全体制を強化するため、隣接地では大阪市が「夢洲消防出張所」を同時期に建設予定。警察と消防が並ぶかたちで配置され、災害・事故への対応力向上も期待されます。

名称:夢洲警察署(仮称)
所在地:大阪市此花区夢洲中1
敷地面積:約3,000㎡
規模:S・RC・SRC造、地下1階・地上6階
延床面積:約6,500㎡
附属施設:駐輪場・車庫 ほか
想定事業費:約61億9,000万円
基本設計:昭和設計(納期:2026年3月9日)
警察官:340人(過去情報)
完成:2028年度(令和10年度)8月
警察署としては中規模で、交通・地域・刑事機能のほか、観光客対応を想定した国際犯罪対策支援なども担う可能性があります。
大阪IRは大阪の未来を左右する大規模プロジェクトですが、にぎわいと同時に治安維持も不可欠です。
今回の夢洲警察署(仮称)整備は、
- 観光都市としての安全性確保
- 地域住民の安心
- IR運営の安定性確保
という意味でも重要な要素となります。
2030年代に向けて、夢洲の都市基盤は着実に整いつつあります。今後は建設進捗や配置される部門など、さらなる詳細にも注目です。
