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日本政府、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備地域の追加選定に向け2025年10月にも意向調査(最大2カ所)

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政府は2025年10月5日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備地域の追加選定に向け、月内にも全都道府県と政令指定都市を対象に意向調査する方向で検討に入った。

追加選定枠は最大2カ所で、選定を希望する自治体があれば、申請を再び受け付ける方針。国内初の認定を受けた大阪のIR整備に一定のめどが付き、訪日客の増加が続く中、誘致を望む自治体の声もあることから、さらなる拡大に取り組む。

2018年7月    :最大3カ所の整備を可能とするIR整備法(特定複合観光施設区域整備法)が成立

2022年4月     : 大阪府・市と長崎県が計画を提出

2023年4月     :大阪IRが認定

2023年12月:長崎IRは不認定

2025年現在:IR整備法によれば残り2カ所の枠が残っている

引用 共同通信

 

当ブログの考察

当初、政府はIRを3か所で認定する予定だった。

想定としては、

  • 東京圏(東京)で1か所
  • 関西圏(大阪)で1か所
  • 地方都市で1か所

という構成だったと考えられる。

しかし、実際には東京IRや横浜IRの計画が頓挫し、民間事業者の撤退も相次いだため、結果的に候補として浮上したのは大阪、長崎、和歌山の3地域となった。

政府としては東京(首都圏)にIRを誘致したいので、大阪・長崎・和歌山の3か所すべてを同時に認定することには慎重な姿勢だったと思う。

そのため、政府はIR整備の認定基準を当初よりも大幅に引き上げたとみられる。

具体的には、

  • ホテル客室面積10万㎡以上
  • 客室数2,500室以上
  • 展示場面積12万㎡以上
  • 国際会議場は6,000人規模

といった厳しい要件を設定した。

この基準では、東京・大阪といった大都市圏以外では採算が取れない水準であり、事実上、長崎IRや和歌山IRを排除する「要件」として機能した可能性が高い。

つまり、政府としては「地方IRを形式的に残しつつ、実質的には東京・大阪の2大都市集中型へ誘導する」戦略をとったと考えられる。

 

なぜ、2025年10月に追加申請を受け付けるのか?
上述のように、政府が新たに示した厳格なIR整備基準─ホテル客室面積10万㎡以上、客室数2,500室以上、展示場12万㎡以上、国際会議場6,000人収容規模─を満たし、かつ採算を確保できるのは、実質的に「大阪IR」と「首都圏IR」の2カ所しか存在しない。
すでに大阪IR(夢洲)は建設が進んでおり、2030年秋の部分開業を予定している。
したがって、今回の政府の新方針は、実質的に「首都圏IR」を念頭に置いた追加申請の受け付けとみられる。

首都圏におけるIR誘致の動きはこれまで紆余曲折を経てきた。

  • お台場IR(東京)計画は、地元の反対や用地制約などから事実上頓挫
  • 横浜IR(山下ふ頭)も、2021年の市長選で反対派が当選したことで正式に中止された

この結果、首都圏で現実的な候補地として残るのは、横須賀市の「日産追浜工場跡地」とみられる。

同工場は、2027年度末に車両生産を終了し、生産機能を日産自動車九州へ移管する計画が公表されている。

日産追浜工場跡地は、

  • 東京湾岸に位置し、首都圏からのアクセスも良好
  • 広大な平坦地を確保可能
  • 港湾・交通インフラの整備も比較的容易

といった利点を有しており、政府・自治体・民間事業者にとって、“ポスト横浜IR”としての最有力候補地になる可能性が高い。

つまり、今回の政府のIR方針転換は、「大阪IR+首都圏IR(=横須賀・追浜案)」という2大拠点体制を見据えたものと考えられる。

日産追浜工場
所在地    : 神奈川県横須賀市夏島町1
操業開始: 1961年10月
敷地面積: 547,606㎡(工場敷地のみ)
従業員数: 約2,400名
生産車種: ノート、ノートオーラ
大阪IR
所在地    : 大阪市此花区夢洲
IR開業     : 2030年秋
敷地面積: 49ha
延床面積: 77ha
投資資金: 1兆5130億円
運営会社: MGM大阪
さらに深読み

防衛省は2025年7月31日、広島県呉市の日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区(面積130ha)跡地に「多機能な複合防衛拠点」を整備する計画で、土地の売買契約締結に向けた基本的事項について、日鉄と合意したと発表した。

日産追浜工場についても、海上自衛隊の横須賀基地から約4kmと近く、防衛省が取得するという観測報道もある。FACTA

国土交通省としては、IRを所管する立場上、「カジノ管理委員会」など関連組織の規模が拡大すれば、それに伴い天下りポストも増えることになる。実際、官僚は2〜3年ごとに再就職を繰り返し、そのたびに数千万円規模の退職金を受け取るケースも多い。したがって、首都圏にIRが設置されれば、官僚にとっても利便性や再就職先の面で都合が良いという構図がある。

また、国土交通大臣の斎藤氏(公明党)は、親中派として知られており、首都圏IRの議論には経済的要素だけでなく、安全保障上の思惑も絡んでいる可能性がある。たとえば、自衛隊の横須賀基地拡張といった防衛強化の動きを牽制する狙いが、政治的背景として指摘されることもある。

さらに、高市氏が首相に就任すれば、自衛隊の防衛力強化が一層進むと予想される。そのため、公明党としては、そうした流れを抑制しようとする意向を持っている可能性もある。

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