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年間47兆円の医療費をどう抑えるか―「東洋医学鍼灸師(既存の鍼灸師3年+高度教育3年)」という新たな専門資格を創設すべき

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日本の国民医療費は年間47兆円を超え、今後も高齢化の進展に伴い増加が見込まれています。さらに医療費だけでなく、介護費も年間10兆円を超え、社会保障制度全体の持続可能性が大きな課題となっています。

もちろん、西洋医学は救急医療や手術、感染症治療、高度ながん治療などに不可欠です。しかし、超高齢社会では、慢性的な腰痛や膝痛、不眠、食欲低下、自律神経の乱れなど、「命には直結しないが生活の質を大きく下げる症状」を抱える人が急増しています。

これらの分野では、「病気を治す医療」だけでなく、「病気を予防し、健康を維持する医療」の重要性も高まっています。

そこで一つの選択肢として考えられるのが、既存の鍼灸師制度を高度化した「東洋医学鍼灸師(仮称)」という新たな専門資格です。

はなく、慢性疾患や未病対策、健康管理を専門とする高度専門職という位置付けです。

 

 なぜ医療費が減らないのか?

現在の日本では、多くの医療機関が診療報酬制度に基づく出来高払い方式で運営されています。

出来高払いでは、診察や検査、投薬など、それぞれの医療行為に対して報酬が支払われます。

この制度は必要な医療を提供する仕組みとして機能している一方で、予防医療や生活習慣改善への評価が十分とは言えないという指摘もあります。

結果として、

  • 病気を予防すること
  • 慢性疾患を根本的に改善すること
  • 患者が医療機関を卒業すること

よりも、

継続的な受診や投薬が制度上評価されやすい面があります。

もちろん、多くの医療従事者は患者の回復を第一に考えて診療しています。しかし制度設計そのものには、予防より治療へ資源が配分されやすい構造が存在すると考えられます。

 

新たな医師制度ではなく、鍼灸師制度を高度化する

日本で新たな医師資格を創設することは、法制度や既存制度との調整など、非常に高いハードルがあります。

しかし、すでに国家資格として存在する鍼灸師制度を基盤とすれば、新たな制度設計は現実味を帯びます。

例えば、

前半3年間(基礎教育)

  • 解剖学
  • 生理学
  • 病理学
  • 東洋医学基礎
  • 臨床医学

現在と同様に鍼灸師国家資格を取得します。

後半3年間(高度教育)

さらに高度教育を受け、

  • 中医学理論
  • 漢方薬学
  • 方剤学
  • 栄養学
  • 臨床薬理学
  • 血液検査データの読解
  • 医療連携
  • 慢性疾患マネジメント

などを学びます。

修了者には「東洋医学鍼灸師(仮称)」という上位資格を付与します。

これは西洋医学の医師を代替する存在ではなく、慢性疾患や未病対策、健康管理を専門とする高度専門職という位置付けです。

 

 なぜ医療費削減につながるか

① ポリファーマシーの改善

高齢者では複数の医療機関を受診し、多数の薬を服用する「ポリファーマシー」が問題となっています。

もちろん薬が必要な患者もいますが、一部では副作用に対してさらに薬が追加されるなど、多剤併用が続くケースもあります。

東洋医学的な視点から生活習慣や体質改善を支援することで、医師の管理のもと薬剤数を減らせる患者が増えれば、薬剤費や副作用への対応費用を抑えられる可能性があります。

 

② 重症化を防ぐ

東洋医学には「未病」という考え方があります。

病気になってから治療するだけでなく、体調の変化を早い段階で把握し、生活改善や継続的なケアを行うという考え方です。

もちろん、すべての病気を防げるわけではありません。

しかし、高血圧や糖尿病、運動不足など生活習慣病の悪化を防ぐ取り組みは、将来的な脳卒中や心疾患などの重症化リスクを下げる可能性があります。

結果として、高額な入院医療や救急医療の抑制につながることも期待できます。

 

③ 健康寿命の延伸

介護が必要になるきっかけとして多いのが、

  • 膝痛
  • 腰痛
  • 転倒
  • フレイル(虚弱)

です。

痛みにより外出しなくなると筋力が低下し、要介護状態へ進むケースも少なくありません。

鍼灸による疼痛管理や身体機能維持が、高齢者の活動量を維持できれば、健康寿命の延伸や介護費用の抑制にも寄与する可能性があります。

完全自由診療

制度を設計する上で重要なのが保険適用です。

個人的には、高度資格者による診療は自由診療を基本とする方が現実的だと考えます。

理由は三つあります。

第一に、公的医療費を増やさずに制度を導入できること。

第二に、患者自身が価値を判断して選択できること。

第三に、自由競争によって技術やサービスの向上が期待できることです。

もちろん、自由診療である以上、誰もが利用しやすい制度になるとは限りません。

そのため、西洋医学を置き換える制度ではなく、自ら選択できる補完的な医療サービスとして位置付けることが現実的でしょう。

西洋医学と対立する制度ではない

この制度の目的は、西洋医学を否定することではありません。

救急医療、手術、感染症治療、高度ながん医療などは、今後も西洋医学が中心であるべきです。

一方で、

  • 慢性的な肩こり
  • 腰痛
  • 自律神経の乱れ
  • 睡眠の質
  • 健康維持
  • フレイル予防

などでは、東洋医学がより積極的な役割を果たせる可能性があります。

それぞれの長所を生かしながら役割分担を進めることが、超高齢社会では重要になるでしょう。

 

まとめ

日本は世界でも類を見ない超高齢社会へ進んでいます。

今後は、「病気になってから治療する医療」だけでなく、「病気になりにくい身体づくりを支える医療」の重要性も高まるでしょう。

そのためには、新たな医師制度を創設するのではなく、既存の鍼灸師制度を発展させ、高度な知識と技術を持つ「東洋医学鍼灸師(仮称)」を育成するという選択肢も検討に値するのではないでしょうか。

医療費の抑制と健康寿命の延伸は、一つの方法だけで実現できるものではありません。西洋医学と東洋医学がそれぞれの強みを生かして役割を分担することが、持続可能な医療制度への一歩になるかもしれません。

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