羽田空港
国土交通省航空局が発表した2026年度の予算概算要求を見ると、首都圏空港と関西空港の扱いの差がはっきり表れています。
- 羽田空港:692億円(前年度670億円から22億円増額)
- 成田空港:179億円(前年度比+20億円)
- 関西空港+伊丹空港:わずか23億円(前年度40億円から大幅減額)
つまり、羽田・成田には大きな投資が続く一方で、関空と伊丹への予算は減らされているのです。
成田は巨額の支援で大規模整備が進行中
成田空港では国から数千億円規模の支援を受けており、
- 第三滑走路の新設
- B滑走路の延長
- 新ターミナルビルの建設
関空は「二期島」本格ターミナルビルの整備が進まず
一方で関西空港は、二期島(埋め立て地)に本格的な国際線ターミナルを建設する構想があるものの、実際の整備はほとんど進んでいません。
利用者数では羽田を上回る国際線実績を持ちながら、予算面では軽視されているのが現状です。
空港名 | 2026年度概算要求(2025年度) |
---|---|
羽田空港 | 692億円(670億円) |
成田空港 | 179億円(159億円) |
関西空港・伊丹空港 | 23億円(40億円) |
中部空港 | 21億円(19億円) |
出典 国土交通省PDF
成田空港
成田空港は179億円(前年度159億円)と20億円の増額となった。しかも成田空港は第三滑走路(C滑走路)整備、B滑走路延伸などに国から財政投融資4,000億円など多額の資金が投じられている。
関西空港
関西空港・伊丹空港は2空港で23億円と前年の40億円から大幅減額となった。
中部空港
中部空港は新たに「第二滑走路」建設事業に着手しており、国からも支援を受けている。
2025年度(令和6年度)の実績を見ると、
- 羽田空港国際線:2,292万人
- 関西空港国際線:2,502万人
実は関西空港の方が国際線利用者は多いのです。
ところが、国土交通省が2026年度の概算要求で示した空港整備予算を見ると、
- 羽田空港:692億円
- 関西空港+伊丹空港:わずか23億円(前年度40億円から大幅減額)
この差は非常に大きく、国交省が「羽田・成田に重点投資し、国際線をそこに集めようとしている」ことが分かります。
航空会社の動きも国交省の方針に沿っている
ANAやJALも、国交省の政策に合わせて「羽田・成田のダブルハブ化」を進めています。
- 羽田:国内線ネットワークと直結する国際線拠点
- 成田:長距離国際線の拠点
その一方で、関西空港の国際線利用者数は羽田を上回っているのに、ANAやJALは数便しか国際線を運航していません。
関空は外資系エアラインやアジアのLCC(格安航空会社)が多く乗り入れ、訪日観光客を大量に運んでいます。大阪・京都・奈良といった観光地への玄関口として機能しており、関空の整備が日本全体にとっても必要なはずです。